「風立ちぬ」戦争と日本人 The Wind Rises: The Japanese War Experience (Part 2)

宮崎駿と半藤一利の座談会 (2013年08月)からの抜粋Excerpts from Dialogue between Hayao Miyazaki and Kazutoshi Hando (August 2013): Source: Studio Ghibli 日本は国家戦略で追いつけなかったJapan could never catch up 半藤一利:零戦にしても、あとの…

「風立ちぬ」戦争と日本人 The Wind Rises: The Japanese War Experience (Part 1)

宮崎駿と半藤一利の座談会 (2013年08月)からの抜粋Excerpts from Dialogue between Hayao Miyazaki and Kazutoshi Hando (August 2013): Source: Eiga.com 半藤一利:映画(風立ちぬ)は、昭和の初め、日本が戦争の泥沼にはまっていく時期を舞台に、そこに生…

月夜が成す闇と光の一体感 Moonlit Nights and the Duality of Light and Dark

日本の戦国時代史上最も有名の合戦を描く、超絶歴史エンターテインメントと称された宮下秀樹が書いた「桶狭間戦記 」という漫画をこの間、また再読することにした。何回も再読したこの漫画だけど、いつも新たな発見があり、それがまた新た「問い掛け」を投ず…

漢字を通して見るベーダーという闇 Understanding the Darkness that Is Vader through Kanji

中国文化史の研究家である阿辻哲次(京都大学)の助言を頂いてスターウォーズ新作の映画の小説の翻訳に携わった稲村広香が編集した「スターウォーズ:漢字の奥義」は興味深い一冊だ。「漢字を知れば、宇宙が、人間が、己が解る」というテーマに基づいて、「本…

''我らの道'': マンダロリアン、ジェダイと武士道 “This is the Way”: Mandalorians, Jedi, and Bushido

初めてのスターウォーズの実写版テレビドラマである「ザ・マンダロリアン」は北米より約一ヶ月半を遅れて2019年末に日本で配信し始め、日本のスターウォーズファンに置いて大好評ともなっている。第一シーズンはいくつのお決まりセリフを生み出して、その中…

哀れと天晴: スターウォーズにおけるクローン兵士の二重性 Pathos and Triumph: The Duality of the Clone Troopers in Star Wars

言語は生きているものであり、絶えることなく移ろいでいる。歴史の変遷や社会の変革により単語の意味が「変身」して、それに応じて表現とそれに絡む「価値観」も変わることがよくある。日本語も例外でない。仏教や漢字を始め朝鮮半島を通して日本に伝来した…

「ザ・ライズ・オブ・スカイウォーカー」の邦訳を考察 Breaking Down the Japanese Title for The Rise of Skywalker

今年の4月中旬に全米で原題「ザ・ライズ・オブ・スカイウォーカー」が発表された約2ヶ月後の6月24日に遂にその邦題の「スカイウォーカーの夜明け」が解禁されました。ちょうど41年前の1978年6月24日にシリーズの第一作目「スター・ウォーズ エピソード4/新…

悟りを開き、フォースを悟るOpening Up the Force

日本語を勉強する方が最初に習う100動詞の中に必ず「開く(ひらく)」が入っていると思います。拙僧が最初に使った日本語教材もそうでした。「開く」が用いられた例文も今もはっきり覚えています:「扉を開きます。」こういうのは意味深い例文と言い難く、「…

芸術を通して窺えるフォースの在り様 Exploring the Nature of the Force through Art

現代書道アーティスト劔朧(Kenro)による「光と闇」 "Light and Shadow" by contemporary Japanese calligraphy artist Kenro 会社の近くにあるギャラリーで週替わりの個展を毎週開催しています。今年の初めに特に興味深い個展が開催されました。その個展の…

我が祖国、汝らの国 My Country ‘Tis of Thy People

1890に起きたウンデット・ニーの虐殺で殺されたスー族 (ラコタ族)のビッグ・フート酋長 Chief Big Foot of the Lakota, killed in the Wounded Knee Massacre of 1890 歴史においてアメリカ大陸の通称の一つは「the New World(新しい世界)」です。この通称…

ありふれた日常に潜む詩情 The Hidden Poetry in the Ordinary

画集に載っているものはある意味で「再現」に過ぎないです。本物を見ると改めてそれを痛感します。友人と一緒に来日中の「フェルメール展 」を観に行ったとき、まさにその思いがしました。本展示会では「光の魔術師 」と称されることもあるヨハネス・フェル…

ヴィンランドサガに窺える償いの道 Finding the Road to Atonement in the manga ''Vinland Saga''

好評の漫画である「ヴィンランドサガ」の新巻の発売をきっかけにシリーズについて改めて回想する機会としました。11世紀の頭の北欧が舞台となるこの漫画ですが、「償い」というテーマを中心に物語が展開していきます。主人公のトールフィンにとって償いの道…

フォースは法力!?三毒の焔(ほのお)を消すために使われるもの Finding the Force within Buddhism: The Power to Extinguish the Fiery Triumvirate that Poisons the Soul

出所:Vincente Valentine Source: Vincente Valentine 昨年の12月にエピソード8「最後のジェダイ」の公開に伴って、毎日新聞が「私とスター・ウォーズ」という興味深い特集を掲載しました。その記事で紹介された一人は禅僧の枡野俊明でした。この記事のお…

日本庭園と盆栽苑を巡るTraipsing around a Japanese Garden and Bonsai Exhibit

今週は休みを取って、日本庭園を見たい来日中のお馴染み友人を昭和記念公園 へ連れて行きました。拙僧は何回もそこへ訪れたこともありますが、公園の奥の方にある日本庭園まで足を運んだことはなかったので、拙僧は非常に楽しみにしていました。そこでは#盆…

印象派に窺える般若心経 Buddhist Undertones to Impressionism

間もなく五月が終わりを迎え、そこで梅雨の兆しでもある紫陽花 があちこちで咲き出しています。満開の桜は日本 を代表する風景とも言われていますが、個人的に拙僧が一番好きのは梅雨前の時季に咲く紫陽花です。まるで#モネ などの印象派の画家の筆から垂れ…

ローグワンに窺える戦国武将 Samurai Traces in Rogue One

「フォースの覚醒」が公開された2015年はある意味で「スターウォーズの年」でもあって、世界中にそのワクワク感が繰り広げられました。この日本でも多岐に渡るスターウォーズ関連の企画が展開され、その一つは日刊スポーツが手掛けた「スターウォーズ新聞」…

日本の中空構造 Japan’s Functional Emptiness

日本のテレビの気に入り番組を挙げようと言われますと、まず思い浮かぶのはNHKで放送される「100分で名著」です。「旧約聖書」から「般若心経」まで、多岐に渡る名著を取り上げて、四回(一回ずつは25分)に渡ってその名著のテーマと文化的な価値を考察する…

喜捨(きしゃ)The Joy of Letting Go

Source: 800 Pound Production スターウォーズエピソード4: 新たななる希望を始めて見たのはいつごろだったのかはっきり覚えていませんが、その映画が拙僧に焼き付けた印象は一生に渡って鮮明に映え続けています。印象的なシーンはあまりにも多いですが、そ…

スターウォーズに反映される禅の考え方 Zen Thought Reflected in Star Wars

映画「スター・ウォーズ」の最新作、エピソード8「最後のジェダイ」の公開に伴って、毎日新聞が興味深い特集を掲載しました。「私とスター・ウォーズ」というテーマで、各界のファンにスターウォーズに対してどのような思いを寄せているかを語ってもらった…

ヨーダの教えに窺える東洋思想 Eastern Thought Underlying Yoda’s Teachings

''おまえと違ってわしにはフォースがついておる。強力な味方じゃ、それはな。生命がそれを生み出し、育てるのじゃ。そのエネルギーはわしらを取り囲み、結び付けておる。わしらは輝ける存在じゃ。粗雑な物質ではない。周囲のフォースを感じるのじゃ。ここに…

日本限定の最後のジェダイのチラシ "The Last Jedi" Japanese Theater Pamphlet

最期のジェダイの公開日が迫る中、新たななチラシが日本の映画館に配布されています。こういうチラシは日本の独特な広報方法でもあり、かなり質の高いB5用紙で仕上げています。通常はその表面は映画館の内外に飾るポスターと同様のデザインになっており、そ…

言語を通してもう一つの自分と出会う Language opens the portal to your other self

言語を習うのは言葉の置き換えの式を覚えることに非ず、その言語の成り立つ語彙の文化的な背景を理解してそれ受け入れるプロセスではないかと個人的に思っています。その文化的な背景は価値観としてその言葉に反映されて、その言葉に潜在する機能を存分に引…

家紋に込められた意味 Family Crests: More than Meets the Eye

*この記事も元々「Pen」雑誌の2009年の9月号に掲載された記事です。英文は数年前に拙僧が翻訳したものです。また、記事の最後にある注釈は拙僧が作成したものです。 This article originally featured in the September 2009 issue of the Japanese magazin…

自然に対する日本のデュアル価値観:その両面性を受ける Japan's Dualistic View of Nature: Accepting Both Sides of the Same Coin 

頭を探しに森を食い尽くすシシガミ(もののけ姫) Shishigami devouring the forest in search of his head (Princess Mononoke) 2014年9月末に御嶽山の噴火のニュース報道を見て、自然が突如に「鬼の面」を表す瞬間を描く生存者の話を聞いたとき、東日本大震…

降神(オリガミ)を通して拡大する日本語のヒップホップの可能性 Origami: Broadening the potential of Japanese hip-hop

日本語を取得するまでは長い道であって、独学での試行錯誤の積み重ねで少しずつその能力を培ってきました。勉強の手段は多岐に渡りましたが、特に遣り甲斐かつ効果的であるものと感じたのは音楽鑑賞でした。当然J-Popから入って、その分かりやすい歌詞(椎名…

終戦の日に思いを寄せて Thoughts on August 15, the End of the War Day

日本にきてから今年は14年になりますが、第二母国で過ごした年数が積み重ねるに伴って、この日に寄せる思いが増々大きくなってきました。This year will mark 15 years since I came to Japan, and with each passing year that I spend in my second homela…

漫画へうげものとスターウォーズ:シスの復讐で描かれる業火への道 The Road to Goka in the Manga Hyougemono and Revenge of the Sith

日本に在住したこの13年以上、日本語だけではなく、日本の文化と宗教観に対する理解をさらに深まるように尽力してきました(いや、今もそれが進行中)。そして、その「日本フィルタ」を通してスターウォーズ(以降SW)を改めてみると、新たな視点からその物語…

斎藤隆夫粛軍演説 Takao Saitou’s Anti-Militarism Speech

この演説の存在を知ったのは、ちょうど2年前のことです。 さて、現在の日本に於いて、このような演説を能える政治家がいるのでしょうか?拙僧はそれを訝しむばかりです。 It was two years ago that I first learned of the existence of this speech. Read…

織田信長の陰陽に候: 光秀と秀吉 The Ying and Yang of Oda Nobunaga: Mitsuhide and Hideyoshi

''They must be destroyed. (Here the kanji 誅 'chuu' implies the idea of exacting punishment from above)'' バガボンドに次によく戻って読み返す漫画は「センゴク」のシリーズである。この漫画の魅力の点を上げようとしますと数えきれないほどもありま…

宮武外骨:諷刺の世界へようこそ!Miyatake Gaikotsu: Welcome to the world of satire

宮武外骨(みやたけがいこつ)1867-1955。ジャーナリスト、文化風俗研究家、新聞雑誌研究家。香川県生まれ。明治20年「頓智協会雑誌」を創刊後、「滑稽新聞」「スコブル」など多数の雑誌や奇書を刊行し、反骨と風刺諧謔(かいぎゃく)に富む奇人として知られ…